ニュースレター

理事長からのメッセージ

雨海 照祥


新たな時代には 新たなひとが 必要とされる
 2019年5月1日、平成から新元号へと改められる。新たな時代が幕を開け、新たなひとが必要とされるに違いない。聴診器を肩からぶら下げてポーズをとる管理栄養士の写真をどこかでみたことがある。この写真を見た医者は、「聴診器を使って、この栄養士さんは、いったい患者さんのなにを聴くのだろう」といぶかるかも知れない。あるいは病院や施設に来られたかたは「栄養士さんって、給食をつくるひとでしょう」と、その方の栄養士像をつぶやかれるかも知れない。しかしもう、そんな時代は終わりを告げる。国に認定された管理栄養士という専門職が、本来なにをやるべきで、実際には何をやり、何をやっていないのか、あるいは何をやってはいけないのか、当のご本人も、患者さんも医師も国も、だれもが正しく認識する、新たな時代が幕を開ける。
 食べたものが消化され吸収され代謝される音を、聴診器で聞き取ることなどできないことを、新時代ではだれもが本当にわかることになる。新時代には、管理栄養士はその専門職に正しく求められる仕事を、正しくやり遂げる。
では、新時代の管理栄養士の本当の仕事とはなんなのか。実は、これが、簡単そうで、そう簡単でない。しかし少なくとも、国家が策定した食事のガイドラインを正しく理解された方々は、食事アセスメントが食事の前後を撮影した写真でできる訳がないことを知る。習慣的な食習慣や食行動を正しく描出する食事アセスメントツールは、国際的、科学的にその方法論の妥当性が、唯一立証されている(簡易型)自記式食事歴法質問票((B)DHQ)であり、それを正しく理解して正しく使えることが、新時代の管理栄養士であることを知る。そうでない“えせ専門職”に対しては、新時代はけっして甘くないに違いない。日本の国民は、自分をみてくれていない“パンフレット栄養士”さんからは、そっと、しかし確実に離れていく。そのとき旧時代の管理栄養士さんの仕事は人工知能(AI)に取って代わられて、そこに“えせ”管理栄養士の姿は消え去って、もういない。

ほんものと そうでない 管理栄養士の 見分け方
 自分の食事を包括的に正しくとらえることをしてくれるほんものと、そうでない”えせ”の見分け方を、国民も、栄養指導を依頼する医師も、新時代には見分けられることになる。もし私がその見分け方をその方々に、そうっとお教えするとすれば、それはもしかすると、次のようになる:
1. 食事アセスメントツールにBDHQを使っているか
2. BDHQの調査結果帳票から、解決すべき課題としての複数の栄養素を抽出し、その複数の栄養素を含むあるいは含まない、目標にできる食品を、すばやく適切に探し出しているか
3. 理由を導き出したプロセスを、わかりやすく説明してくれているか
4. BDHQの結果帳票の過小・過大申告をみて、その原因である食品や食行動を探し出す質問をして、申告誤差の原因を抽出し、その理由をわかりやすく説明してくれるか
5. 申告誤差を補正した治療方針を、わかりやすく説明して提示してくれるか
  この新時代の管理栄養士5箇条は、しかし、いうは易し、行うは難し。
それではどうすれば、いいか。その答えは、実は簡単なのである。この5箇条を満たすには、日本人間健康栄養協会(以下、本協会)の研修を受講することなのである。受講して、積極的に問題解決に取り組んで、自信をもって食事アセスメントができることなのである。こうした生まれたほんものの管理栄養士だけが、新時代の管理栄養士として求められ、生き残り、さらに次世代の新管理栄養士を創り出すことになる。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の新研修を 2019年に受講できる 恩恵
 この新時代の幕開けに、本協会の中心の理事として、東京大学大学院の佐々木 敏教授が、全面的にご協力くださり、本協会が主催というかたちで「日本人の食事摂取基準(2020年版)」研修を、本協会が開催できることが決まった。その詳細は、開催地決定後順次、本協会のホームページで告知される。どうか、お見落としなきように、定期的にチェックをお願いしたい。

新管理栄養士の 必要条件と十分条件
新時代の管理栄養士の方々の必要条件は二つある。それらは、いずれも本協会の開催する研修会へのご参加であり、一つは食事アセスメント講習、もう一つは未だかつてなかった、日本人の食事摂取基準(2020年版)の、前年度(2019年度)中の研修である。  
そして、新時代の管理栄養士の十分条件は、これらの必要条件である二つの研修の受講を経て、認定試験に合格し認定証を胸にすることである。これら必要十分条件を満たした新管理栄養士こそが、正しい食事アセスメントを手に、新時代を切り拓くことになる。
 新時代の新管理栄養士の出現が、こころから楽しみであり、本協会の意義も、ここにあることを、平成の最後の年に再確認した次第である。
 新時代の新管理栄養士の存在意義は、はてしなく広い。あなたたちに幸多かれ、と心より願っている。

初めての認定試験合格者認定のご報告
 本協会の設立目標のひとつである『国民の健康増進や疾病予防・疾病の重症化予防・栄養改善に資する事業』の実践者として、食事アセスメント専門管理士35名、ユニットケア栄養マネジメント専門管理栄養士7名が、はじめて日本の現場に出ていくことになった(詳細、下表参照)。
 本協会における認定試験は、協会から認定を受けるのが目標ではなく、認定までに日々培われてきた国民がもつ具体的な栄養学的問題を、科学的に分析し解決する方法を身につけ、対象者(クライアントといってよい)に理解可能な根拠を示し、解決することを目標とする。要するに、対象者が分かる形で。ご自身の情報を共有する必要がある。
たとえば、高血圧の問題をもつ方々の、BDHQで得た情報を比較する。Aさんは食塩過剰摂取、Bさんはカリウム摂取不足、Cさんは肥満、Dさんはアルコール過剰摂取、Eさんはそのいずれでもなくおそらくは遺伝的背景が強いことが分かる。本協会員の管理栄養士Xさんから、その比較結果をきいた高血圧のB、C、D、Eさん4名は、「えっ、テレビでは、高血圧の原因は塩分過剰って言ってたけど」と、自分の分析結果に驚く。マスコミで高血圧を扱っている番組のステレオタイプの「塩分」過剰が、実は自分の原因でなかったことにはじめて気づく。「えっ、そんなこと、思ってもみなかったし、いままで、誰も言ってくれなかった」。心の中で、マスコミや従来のパンフレット栄養指導の不正確さ、不誠実さに心から驚く。こうした現場の事例が、本協会で積み重なっている。
実は、彼らに個別の問題を指摘した管理栄養士のXさんも、「塩分」がという言葉が科学的でないことを、佐々木敏教授の具体的な多くの事例による双方向の講習で、繰り返し何度も指摘・訂正いただいた成果であることに、協会の講習で初めて気づく。「えっ、そんなこと、思ってもみなかったし、いままで、誰も言ってくれなかった」。
さらに過小・過大申告例の問題解決方法を、ポーションサイズ問題や魚料理、肉料理の合計数と個別料理の申告数の違いから問題点をあぶりだす方法を、双方向の進行プロセスを通じて、真に身に付けていく。さらには、BDHQの質問の並び方にまで心を配り、誤申告を明らかにする秘密がその順番に隠されていることにまで気づき、次の指導から具体的にその点にも注意を払うことになる。
これらは、ほんの一例である。本協会の特徴の一つは、具体的な事例のBDHQや記録方法の従来の問題点と具体的な解決法とを、さらには協会員ご自身が自分で科学的に発見・解決する方法を、多数の仲間や講師との、なるべく根拠の有無を明確にすることに心を配ること、会話の重要性を通じて、時間をかけて身につけていく。
これらのプロセスは、一朝一夕で身につくものではない。2日にまたがる研修で、最初は寝る間を惜しんだ仲間との修練と翌日の講師との会話を通じて、事前に複数の計画的問題解決の方策を立てておくことの重要性を仲間と共有する。
科学的修練の内容も、科学的な優先順位も、語数制限された簡潔な会話方法も、最終的には実際の対象者への栄養教育内容の理解度・受容度、目標達成率の高さという、もっとも重要な結果へとつながっていく。
今回の認定試験は、通例の試験の限界点として、境界線の点数を具体的に設定せざるを得なかった本意ではない結果である。合格者とそうでない方々の点数の間に、驚くほどの開きはない。ようするに、本協会の研修のプロセスでしか実現不可能な科学的姿勢だけが、平成の終わり、次の時代の日本国民の、栄養を通じた『健康増進、疾病予防、疾病の重症化予防、栄養改善』という本協会の設立趣旨の唯一の実現策である。その実践者はすべての協会員である。
都市伝説やテレビの風説を、科学的根拠でクライアントに示し、栄養学的な問題点を根拠で具体的に提示して、その問題点を解決するために、誰にでもわかる記録法を身に付けた協会員が日本中に拡散していくことで、日本国民の栄養問題が着実に科学的に解決していくことと固く信じている。

表 本協会の第1回認定試験結果の概要
  認定試験の名称               認定試験日  受験者数  合格者数  合格率
食事アセスメント専門管理士          2018.07.21   60人   35人    58.3%
ユニットケア栄養マネジメント専門管理栄養士  2018.07.08   40人    7人    17.5%


協会会員からの声

食事アセスメント専門管理士認定試験に合格して


公益社団法人茨城県栄養士会 髙野佑子


 「食事アセスメント講座」に参加するようになり、10年が経ちました。その間、数えきれないくらい研修に参加しているのにも関わらず、毎回自分の出来なさにがっかりして帰ります。あとどれくらい勉強すれば講師の先生方のようになれるのでしょうか。ご指導いただいている先生方は、世界で活躍している先生方です。私達をエベレストに登らせるくらいの気迫です。今回の合格点は、ようやく富士山の山頂に登ったところだと思っています。
10年前を振り返ってみると、私は管理栄養士として働く知識も能力も全くなかったなと感じています。食事摂取基準は数値のページしか見ていなかったし、購入しただけで読みませんでした。間違った食事アセスメントと、食事・栄養に関する間違った知識で、間違った栄養管理・栄養指導をしていました。この「食事アセスメント講座」の研修に参加し、根拠のある食事アセスメント方法と、正しい知識を学びました。食事は揺れて食べているということを理解すると、ある1日だけの食事調査では、対象者の本当の食べ方をアセスメントできないことが解りました。食習慣を把握する大切さも学びました。
また、同様に、論文も1つの論文の結果だけで判断することは安易だということを学びました。現代はたくさんの情報であふれており、正しい情報を得るためには、正しい情報かを判断する基本的な知識が必要だと思います。この研修では、PubMedを使った論文検索の方法を学び、正しい情報収集の根拠となる英語の論文も検索できるようになり、読めるようになりました。さらに、苦手だったグラフや表を理解できるようにもなりました。特に、食事摂取基準はどこかのとても偉い先生が作ったものが天から降りてくるようなイメージでいましたが、エビデンスのある論文がなければ食事摂取基準は成り立たないということを知りました。研究者が調査デザインを考え、現場の私たちが対象者さんのデータを集め、その結果を研究者が論文(国際誌)にすることによってできているということを学び、食事摂取基準がとても身近に感じられるようになりました。そして、食事摂取基準は私達が働きやすくするために、私達がアップデートしていくものだとも感じました。
 なお、この研修では、正しい栄養の知識だけでなく、他職種と協働するためのスキルも習得できます。私が常に心がけるようになったことは指導する項目の優先順位を考えるということです。アセスメントした結果、指導したいことがいくつも浮かんでしまいます。しかし、たくさんのことを話しても相手には何が重要なのか伝わりにくくなります。そこで、まず優先順位を決め、的を絞って伝え、対象者さんが行動変容できる項目かどうかを確認しながら指導することが大切だということを学びました。その際にも、優先順位を決める根拠が必要です。ガイドラインの理解や論文等の検索をし、対象者さんに合った指導内容を選びます。根拠がなければ、指導する担当者が変わるごとに指導内容が変わってしまいます。対象者一人に対し、アセスメント結果やそれに伴う介入方法が変わることは本来ないはずです。
さらに、研修中の発表討論では、先生方に常々「文章は短く簡潔に」、「言葉の定義をよく理解して使う」ということを言われます。研修を受け始めた頃は、説明をする時に頭に浮かんだ言いたいことを長々と話していました。しかし、それでは要点が伝わりません。それを研修で先生方に指摘されるまで気づかずにいました。的確に相手に伝えるためには、適切な言葉で簡潔に伝えることが大切ですし、他職種と仕事をする上で常に必要なことです。研修に参加し、毎回指摘されることで、少しずつですが、短く簡潔に話すことができるようになったと思います。
 この研修の一番の試練である夜通しの事例検討も、指導案を提出することだけが目的ではありません。他者の意見をくみ取ったり、初めて参加する参加者に解りやすく伝えたりすること、資料の印刷の向きやホチキスの止め方等、相手のことを考えて資料を作成することなどが大切であることを知ることができました。これらはコミュニケーションスキルをつける訓練の一つであると考えています。
 今、茨城支部活動の中で、医療機関の患者や市町村の介護予防対象者などにBDHQを使った食習慣指導を実践しています。今後は、医療機関等での栄養指導はもちろん、市町村での健康診断等で食習慣指導を実践するだけではなく、政策へ反映できるようにしていきたいと考えています。特に、私が今後一番関わりたいと考えているのは、若い世代への食育です。子どもの頃からの食育というより、母体にいる頃からの食育が必要であり、母子手帳交付時や妊娠を考えている家族に対し、食習慣指導をしていければ良いと考えています。そのためには、BDHQを使った食習慣指導ができる仲間を増やし、すべての年齢層において対象者が気軽に栄養相談ができるような体制を作りたいです。
 最後になりましたが、なかなか理解のできない私達に、辛抱強くご指導くださる先生方、ありがとうございます。先生方のイライラは、私達には計り知れないくらいのものだと想像しております。また、協会を運営していただいている役員さん、一緒に徹夜をしたたくさんの仲間、するどい質問をして気づかせてくれた参加者の皆さん、そして私の食習慣指導を聞いてくださった対象者の皆さんのお陰でたくさん勉強をさせていただきました。ありがとうございます。さらに受講する仲間を増やし、一緒に勉強したいと思っています。


食事アセスメント専門管理士認定試験に合格して


こうのすナーシングホーム共生園 管理栄養士 遠藤史代


 介護老人保健施設である当施設は、様々な疾病を抱えた方が入所されるケースが増えています。疾病のガイドラインの栄養に関する部分をきちんと理解して、日々の栄養管理にあたりたいと考え、食事アセスメント講座の受講を開始しました。
 講座を半日受けた後の事例検討は、グループワークで一晩議論し、翌日ロールプレイでの発表と質疑応答、参加者全員でのディスカッションを行います。最初はグループワークの中での議論の的が理解できず、なかなか発言することができませんでした。受講を重ねていくうちに、同じグループになった先輩会員さんが毎回丁寧に指導して下さったことで、少しずつグループワークでも議論に参加、発言ができるようになっていきました。討議内容の発表では、質問に回答することを通し、自分の中での理解を深めることができ、同時に自信につなげることができました。質問のしかたや答え方についてはまだまだ未熟ですが、受講前と比較すると、日常業務の中で他職種とのやりとりが円滑になっていると感じています。
なお、認定試験の一部であるBDHQを活用した食習慣指導報告書のレポート提出のため、初めて一般の人を対象としてBDHQを実践し、食習慣指導を実施しました。BDHQの結果票の詳細編を読み込み、食事アセスメント講座で学習した事例の中から類似事例のディスカッション内容を振り返り、事前学習やシミュレーションを繰り返し行い指導に臨みました。しかし、ご本人の意向もあり、食習慣の改善の優先順位を変更できず、行動変容が困難であったり、行動変容はできても別の課題が浮上したりと、実際の指導の難しさを痛感しました。特に、一つの食習慣を変えることによって起こる新たな食習慣の変化を予測しながら提案を行う必要があるということを学びました。講座では学べない「真(生)の食習慣指導」の難しさや責任、また、面白さを学習できるよい機会となりました。試験の合否に拘わらずこれを体験できただけでも受験をしてよかったと思うとともに、合格したことで更に自信とやる気につながりました。
通所サービスを利用している方やその家族の方から、栄養や食事に関する相談を受けることも多くなっています。BDHQを活用した食習慣指導に携わることができたらと考えていますが、私自身のスキルやコミュニケーション能力はまだまだ向上が必要です。
今後は、BDHQを活用した食習慣指導を実践し、地域住民の健康維持・疾病の予防・重症化予防に貢献するため、「食事アセスメント専門管理士」と認定された会員が集まってグループを組み、BDHQによる食習慣指導を実践し、スキルを高めたいと考えています。それには、医療機関や市町村(高齢者の介護予防、特定保健指導)、企業(社員の健康診断)等の機関に、BDHQによる食習慣指導の有用性を説明し、食習慣指導を事業として契約し、実践する必要があります。いつまでも受け身になっていないで、自ら行動したら道が開けると思います。自分たちが実績を積み上げることで社会に貢献し、専門家として多くの人に支持されるように、「食事アセスメント専門管理士」第1期生として、次の世代につながる活動を続けたいです。
なお、今回、食事アセスメント認定試験に合格し、「食事アセスメント専門管理士」の認定を受けることができましたが、エビデンスに基づき、個々の食習慣に合わせ、適切に指導ができる技術を習得するためには、継続して食事アセスメント講座を受講し、理解を深めていく必要があります。試験に合格したことをスタートラインとし、学び続け、活動の場を広げていきたいと思います。

 

ユニットケア栄養マネジメント専門管理栄養士認定試験に合格して


障害者支援施設有誠園 管理栄養士  土井原 由利子


日本人間健康栄養協会が昨年初めて「ユニットケア栄養マネジメント専門管理栄養士」認定試験を施行しました。多くの人がこの日を来るのを待ちわびていたと思います。私もその一人でした。試験の日程が発表になってからは、受験やレポート作成のため、最後の研修を繰り返し受講し、基本情報、24時間シート、ICFシート、計画書のご指導をして頂きながらグループワークにてそれぞれに意見を交わし、栄養ケア計画書を作り上げていきました。長年「ユニットケア栄養マネジメント講座」を受講してきましたが、事例を提出するとなると曖昧な点も多く、あせりを感じながら不安だらけの中での受験となりました。受講した全ての研修について、研修時間内だけでは解決しないことや理解できない事も多く、メールや電話等を通じ多くの仲間に意見をもらったり、教えあったり、助けられたりした部分も大きく仲間の存在をありがたく感じました。
 介護支援専門員が計画する「介護サービス計画書」は、AIによる作成の検討も進んでいます。当然、管理栄養士が立案する「栄養ケア計画」においてもその可能性があります。そのような中で、管理栄養士を必要とする「栄養マネジメント」を確実なものにしていくために、「ユニットケア栄養マネジメント講座」で24時間シート、ICFシートを活用した栄養ケア計画書を作成し、栄養ケアプロセスによる確認が必要となってきます。
24時間シートでは、AIで判断することが難しいとされている「人間の感情にどう寄り添うか?」、「ご利用者様がどのような一日を過ごされているか?」を踏まえ、何がご自分ででき、何をサポートする必要があるのか等、一日の暮らし方の詳細な情報が分かる様に、ご利用者様一人ひとりに向き合い、24時間の食生活に関する情報収集してシートを作成します。ICFシートでは、24時間シートから導き出した食事・栄養に関係のある疾病をカテゴリー化し、カテゴリーに応じた心身機能や身体構造と考えられる項目をスクリーニング、アセスメントし「活動」、「参加」に繋げます。また、「個人因子」「環境因子」として活動、参加に関係のある項目に整理をし、「活動」、「参加」「個人因子」「環境因子」それぞれの項目が心身機能や身体構造から順に繋がっていく様にシートに落とし込みます。これらの2つのシートから栄養ケア計画書に必要な内容を導き出し、同時にモニタリングで評価出来るように計画書のサービス内容を決定することで栄養ケア計画書が成立します。さらに、栄養ケアプロセスによるアセスメントを栄養ケア計画書から導き出した時に、計画書の中に24時間シートをきちんと展開し、ICFシートに導き出されていなければ、栄養ケアプロセスを使ってPDCAサイクルによる栄養管理を実施する事は出来ないことが判明します。つまり、ICFシートにはご利用者様の心身機能や身体構造から考える項目を拾い出すのではなく、24時間シートの中から丁寧に項目を導き出すことが重要です。それがなければ、「ご利用者様の思いをどうすれば叶えて差し上げられるか? どうすればその思いに近づけていけるか?」、「アウトカムを変えることを達成出来るか?」など、ご利用者様の生活の質が少しでも良い方向に変わっていくお手伝いをする事は出来ません。この様に、24時間シート、ICFシートの関連性を明確にした栄養ケア計画書を作成し、栄養ケアプロセスに繋げていく、これら一連の流れをエビデンスに基づいた手法で実践するのがキーポイントであり、加えて誰が行っても同じ栄養ケア計画とケアの実施が出来ることが理想です。
そして、それらが日常業務で生かせるようになった時こそ、施設の中で管理栄養士が専門職として施設職員の一員と位置付けられ、全員で一人のご利用者様を支えていく事に繋がり施設内での管理栄養士の地位向上に繋げる事が出来ると考えています。それには出来るだけ多くの管理栄養士が「ユニットケア栄養マネジメント講座」を受講し、「ユニットケア栄養マネジメント専門管理栄養士」の認定を取得する仲間が増え、ご利用者様やご家族、また他職種から安心して質の高い栄養管理を任せて頂けるようにすることが必要になると思います。
今回、認定を頂いたことで目指したい所に一歩近づけたと思いますが、ここで満足するのではなく今回認定を頂いたことは新たな第一歩を踏み出したと思い、甘んじる事なくこれからも常に新しい情報を得るために研修に参加し、向上心を絶やさず志を同じくする仲間と共に歩んで行きたいことを心に刻みました。
最後に、栄養士の本来の「エビデンスに基づいた講義」や「学ぶことの意味と大切さ」をご教授して頂いた先生方に心から感謝すると共に、引き続きのご指導をお願いします。


ユニットケア栄養マネジメント専門管理栄養士認定試験に合格して


特別養護老人ホームあじさいのおか牛窓 管理栄養士 今中三恵子


施設に入居されている方に楽しみを伺うと、多くの方が「食べること」と答えられます。自分は「果たして、その気持ちに寄り添えているのだろうか?」と日頃より自問自答していました。その悩みを解決したいという思いから「ユニットケア栄養マネジメント講座」を受講しました。
この講座では、「食事は美味しく、楽しいもの」であり、その人の生活・人生を尊重し、その人らしく生活していただくため、24時間シートとICFを活用します。24時間シートでは、今までの生活を継続するという思いを実現させるため、ご自宅で暮らしておられた時の状況を基本に、生活の中での食生活をアセスメントします。「生活習慣(リズム)」「意向・好み」を把握することで、その人が望む食生活が見えてきます。さらに、「自分でできること」「サポートが必要なこと」に繋げることで、望むケアを把握することができます。
また、ICFシートは、どのような疾病や身体機能に障害があっても、ご本人やご家族が望む生活を実現するためのものです。まず、栄養に関係のある疾病をカテゴリー化し、重要度の高い順に並び替え、カテゴリーに応じた「心身機能・身体構造」に整理して課題を明らかにします。その課題に応じた支援体制を考え「活動」「参加」に展開し、その因子である「環境因子」「個人因子」を把握します。この2つのシートから浮かび上がった課題を整理し、「栄養ケア計画書」に落とし込むことができれば、ご本人・ご家族の意向に添った、食事を通して生活の質を高める計画になります。
実際には、これらのシートを活用した栄養ケア計画書作成によって、管理栄養士でなければできない情報収集や考え方、管理栄養士以外の職種との連携の大切さも学びます。また、これらの手法による栄養ケア計画書を使用し、栄養ケアプロセス(NCP)の展開を学びますが、共通言語化と、問題抽出を行う方法も学ぶことができます。
これらの講義を受けた後、各自が持参した事例でグループワークを行います。各グループでは、時間が許す限り互いの意見を交換し、根拠を考え、ともに悩み、ご利用者の意向に添った満足度の高い計画書の完成に向け話は尽きません。現実に即した話ができるだけでなく、自分一人では考えも及ばなかったヒントをたくさん得ることができます。また、翌日は発表と質疑応答を行います。講師の先生方、受講者の皆様とのディスカッションは、いかに根拠のある計画作成が必要なのか、そしてグループワークでの考え方や話し合いが十分であったか否かを感じられる、他にはない大切な時間だと感じています。
 受講後は、ご本人の意向を中心に、計画書の目標、サービス内容の繋がりを強く意識するようになりました。根拠のあるご利用者の気持ちに添った計画書の作成は、ご本人・ご家族だけでなく、他職種からの信頼につながると、確信しています。また、まだまだ未熟ではありますが、発表や質問を通じて、文章は短く、わかりやすく適切な言葉を考え、伝える習慣がついたとも感じています。
今回の認定試験に合格したことで、24時間シートやICFシート、栄養ケアプロセスを活用し、アウトカム評価を行うことができると、自分に少し自信を持つ事ができました。これまでの講義や演習で感じたことは、アセスメントの大切さです。アセスメントでしっかりと状況把握を行えなければ、次につながらないと感じました。今はまだスタートラインに立ったばかりです。これまで学んだ方法を使用し、より一層ご利用者満足につながる支援をすることがこれからの私の課題です。それには、栄養ケアプロセスを取り入れ、根拠のある問題抽出、共通言語の使用、アウトカム評価を行うことを丁寧に行っていきたいと思います。
この協会でご指導くださる先生方、一緒に学んだかけがえのない仲間との繋がりは、私の大きな力となっています。栄養の専門家として、変化する時代と、個々の問題と意向に対応をするための知識と技術を身につけるため、今後も継続的に学び、一歩ずつ前を向き歩んでいきたいと思います。

 

第3回理事会報告

1.第3回定時総会報告 
日 時 2019年1月14日(月)10:00~11:00
出席者 出席評議員17名、委任状出席評議員3名。理事9名、監事1名
 議 事

(1)平成30年度事業報告、収支決算、監査報告
・第2回定時総会および理事会、各種研修会開催の報告
・褥瘡の発症予防、早期改善における栄養管理に関する調査及び食習慣指導カード作成
・第1回認定試験実施。合格者に認定証交付
(2)2019年度事業計画、収支予算
・第3回定時総会および理事会、各種研修会開催(回数及び日程)
・特別研修会(協会支部実施の「日本人の食事摂取基準(2020版)」)
・第2回認定試験(日程)    

2.特許庁に名称登録
(1)商願2017-085731「一般社団法人日本人間健康栄養協会」
 登録番号:商標登録第6023925号 登録日:平成30年3月2日
(2)商願2018-027617 「食事アセスメント専門管理士」
 登録番号:商標登録第6100889号 登録日:平成30年11月22日


事務局からのお知らせ

2019年各研修会の開催日程は、ホームページに掲載されています。各講座受講の申込みは、申込期限内にFAX又はメイルにて申込んでくださいますようお願いいたします。特別研修会については、随時ホームページに掲載しますので、ご確認ください。